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世界中の珍しい楽器を見て、聴いて、楽しめる!
浜松市楽器博物館が10倍楽しくなる館長さんの特別ツアー♪

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世界的な楽器メーカーが集まる音楽の都・浜松には、JR浜松駅からすぐの場所に、日本初の公立楽器博物館として開館した「浜松市楽器博物館」があります。ここにはアジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパなど、世界中から集めた1500点もの楽器がずらり。普段はなかなか出合えない貴重な楽器ばかりです。
そこで今回は特別に、館長さんによる館内ツアーをしていただきました。生演奏が聴けるギャラリートーク、演奏も楽しめる体験ルームまで博物館を満喫してみましょう♪

浜松市楽器博物館をめぐる特別ツアーがスタート♪

 

館長の鶴田雅之さんは、ご自身でもテナーサックス演奏を楽しむ音楽愛好家。今回は、『日刊KELLY』編集部の木村さんが浜松市楽器博物館を訪れ、特別ツアーを体験しました。
木村さん「学生時代は軽音部に所属していて、今もベースを弾いているので弦楽器に興味津々です。今日はよろしくお願いします!」
鶴田館長「こちらこそお願いいたします。ガラス越しではなく、間近で貴重な楽器をご覧いただけますよ」
通常は、日曜限定で展示室ガイドツアーを開催しているとのこと。気になる人はぜひチェックしてみてください!

【第1展示室】壮大なアジアの楽器に感動!

浜松市楽器博物館の特徴のひとつが、ヨーロッパ以外の楽器所蔵点数が多いこと!
特に、420点もの所蔵数を誇るアジアの楽器は色鮮やかなものが充実。博物館に入るとすぐにアジア楽器のコーナーが広がり、インドネシアの打楽器「ガムラン」をはじめ、世界でも希少な楽器がそろう姿は迫力満点です。

 

演奏シーンの映像を見たり、ヘッドホンで視聴したり、実際の音色を聴く体験にもワクワク。
鶴田館長「こちらはバリ島の竹ガムラン『ジェゴグ』といい、15人で演奏する大きな楽器。ほかにもジャワ島とバリ島の青銅ガムランがあり、3つを同時展示しているのは世界でここだけといわれています」
木村さん「同じガムランでも地域ごとに見た目、素材、音が違いますね!」

尺八、琴、琵琶、三味線など日本の楽器も一堂に!

 

日本の伝統楽器が並ぶコーナーでは、一枚の板にたった一本の絹の糸を張っただけの一弦琴に注目。平安時代ごろには貴族たちが愛用していたとか。動画視聴ブースで、実際の演奏シーンを聴くこともできます。
木村さん「弦一本で演奏するのは難しそう!」
鶴田館長「弦を押さえる場所に印があるので、三味線より親切ですよ(笑)」

【第2展示室】オセアニア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパの楽器を見ながら世界旅行気分♪

 

18~19世紀に作られたヨーロッパの管楽器をはじめ、パプアニューギニアの世界最大の竹製横笛、アフリカの太鼓など、世界中で生まれた珍しい楽器が大集合。
木村さん「アフリカの楽器は面白い形がいっぱいですね」
鶴田館長「アフリカは音楽発祥のルーツのひとつで、ユニークな楽器が豊富です。現地の村で撮影した演奏映像と一緒に楽しめますよ」

【第3展示室】ショパン、ベートーベンなど大作曲家が生きた時代のピアノたち

鍵盤楽器の充実度も博物館の特長です。オルガンからチェンバロ、ピアノへと進化を遂げる鍵盤楽器は、一つひとつが芸術品のような美しさ!
浜松市楽器博物館が修復し、丁寧にメンテナンスをすることで演奏できるようになった楽器も多いのだとか。

 

ロココ調のチェンバロは18世紀にヴェルサイユの貴族に愛された由緒ある品。さらに18~19世紀頃にウィーンやパリで製作され、大作曲家と同時代に使われたピアノも並びます。ショパンやベートーベンと同時代の楽器を、目の前で見られる体験は貴重!

【第4展示室】浜松ならでは! 電子楽器から国産洋楽器のコーナーへ

電子楽器や国産洋楽器の歴史を紹介するコーナーは、楽器の生産地浜松ならでは。
実用化された最古の電子楽器テルミンや、現在のヤマハが作った「エレクトーンD1」に始まり、明治時代に浜松で生まれた足踏み式リードオルガン、日本初の国産ピアノなど、浜松の楽器生産の流れがわかる希少な展示に圧倒されます。

 

木村さん「明治時代のピアノには燭台がついていて、デザインもかわいいですね」
鶴田館長「電気がない時代、夜はろうそくで手元を照らして演奏していたようです」

ギャラリートークや体験ルームでリアルな音を体感!

 

平日や週末問わず開催される、1日4回のギャラリートークもお楽しみのひとつ。浜松市楽器博物館のスタッフが、注目の楽器を演奏しながら魅力を教えてくれます。
取材時は、イランの伝統的な撥弦楽器「セタール」を紹介。現地に音楽留学した石井紗和子さんの演奏は美しく幻想的です。
木村さん「人差し指一本で複雑な演奏ができることに驚きました!」
鶴田館長「微分音という細かい音程を奏でられる楽器なので、自由な表現ができます。現地では詩を歌いながら演奏することが多いですね」

 

最後は、自分で楽器を演奏できる「体験ルーム」で音遊び!
鶴田館長「ぜひ試していただきたいのがモンゴルの馬頭琴。膝に挟んで、弓で弦を弾いてみましょう」
木村さん「難しい~、でも音が出ると楽しいです!」
鶴田館長「もうひとつのおすすめは、スケルトンボディに改造したリードオルガンです。ペダルを踏んで真空状態をつくり、鍵盤を押して空気を吸い、リードを振るわせて音を鳴らす仕組みがわかりますよ」
木村さん「ペダルが重くて思った以上に体力が必要! オルガン演奏が重労働だと実感しました」
楽器を見て、聴いて、自分で演奏する。そんな多彩な体験が楽しめる浜松市楽器博物館は、何度でも通いたくなる場所です。
館長、本日はありがとうございました!

2024年11月、第12回浜松国際ピアノコンクールが開催

2024年は、楽器と音楽の都・浜松を象徴する「浜松国際ピアノコンクール」が大きな話題。若いピアニストの育成や世界との音楽交流を目的に、3年に一度、アクトシティ浜松で開催されています。
第12回目となる今回は、2024年11月4日(月)のオープニングコンサートから3週間をかけ、予選や本選が行われます。期間中は世界中から音楽ファンが浜松に集合!

浜松市楽器博物館の特別展「フォルテピアノの芸術 音楽の都 ウィーンの19世紀」も

第12回浜松国際ピアノコンクールに合わせた、浜松市楽器博物館のオリジナルイベントにも注目を。
7月13日(土)から12月10日(火)まで、19世紀頃に「音楽の都」ウィーンで演奏されたピアノを集めた「フォルテピアノの芸術 音楽の都 ウィーンの19世紀」展を開催。現代ピアノとの違いに触れながら、当時の社会や音楽家との関係性も取り上げ、美しい音楽が生まれた背景に迫ります。
そのほか、ウィーンのピアノを奏でるコンサートや、ワークショップイベントも開催され、お楽しみがいっぱいです。

浜松市楽器博物館

  • 電話 053-451-1128
  • 所在地 静岡県浜松市中央区中央3-9-1
  • 営業時間 9:30~17:00
  • 定休日 第2・4水曜(祝日の場合は営業・翌日休、8月は無休)
  • 観覧料 大人800円、高校生400円、中学生以下無料
  • アクセス JR浜松駅より車で約10分
  • URL https://www.gakkihaku.jp

浜松国際ピアノコンクール事務局

STAFF

  • 取材・文 和田知子
  • 撮影 御手洗里美